
こんにちは!株式会社テラ ブランドデザインチームです。
「Webサイトのリニューアルを考えているが、競合他社との違いをどう打ち出せばいいか分からない……」
「専門知識のあるベテラン担当者が退職することになり、業務の引き継ぎや仕組み化が追いついていない……」
「トレンドの生成AIを導入してみたものの、結局どうビジネスの成果に繋げるべきか見えてこない……」
経営者やブランディング責任者の方々から、最近このような切実なご相談をいただくことが増えています。
この記事にたどり着いた皆様も、同じような課題に直面し、頭を悩ませてはいないでしょうか。
実は今、生成AIが急速に広まるなかで、これまでのブランディングの「勝ちパターン」が、少しずつ通用しなくなってきています。
「綺麗で洗練されたロゴやWebサイトを制作する」
「知名度を上げるために、広く浅く認知を広げる施策を打つ」
これまで一般的だったこれらの手法 ── いわば「とりあえず認知拡大」というアプローチは、情報が溢れかえるAI時代において、次第にその効果を失いつつあります。見た目を整えるだけ、広く浅く知名度を上げるだけのブランディングでは、なかなか顧客の記憶に残ることはできません。
では、これからのAI時代、先ほど挙げたような「現場の生々しい課題」を抱える顧客から、私たちはどのようにして選ばれ続け、強固なブランドを築けばよいのでしょうか。
その鍵を握るのが、「CEPs(Category Entry Points:カテゴリー・エントリー・ポイント)」 という、これからの時代に欠かせない新しいブランディングの考え方です。
この記事では、CEPsの本質と、AI時代における重要性、そしてそれを実務に落とし込む方法を、順を追って見ていきます。
目次
CEPsとは何か──顧客の記憶に「入り口」をつくるという考え方
CEPs(カテゴリー・エントリー・ポイント)とは、一言で言えば 「顧客がそのカテゴリー(商品・サービス)を欲する『きっかけ』となる、生活や業務上のシチュエーション(文脈・動機)」 のことです。
世界的なマーケティング研究機関であるアレンバーグ・バス研究所のバイロン・シャープ教授らが提唱したこの概念は、「ブランドが選ばれる確率」を科学的に解き明かしたことで知られています。
従来のブランディングは「自社ブランドの認知度(名前を知っている人の割合)」を重視しがちでした。けれど、どれだけ名前が知られていても、顧客が「今、それを必要とする瞬間」に思い出してもらえなければ、なかなか売上には結びつきません。
ブランディングで本当に大切なのは、顧客の頭の中に 「自社へ繋がる入り口(文脈)を、どれだけ多く、太くつくれるか」 という点なのです。
検索行動は「キーワード」から「文脈」へシフトする
そしてこの考え方は、AI検索(LLMやAIエージェント)の普及によって、これまで以上に大切なもの になっています。
これまでのユーザーは、何かを探すときに「Web制作会社 名古屋」「業務効率化 ツール」といった単語(キーワード)で検索していました。しかし、AIエージェントが日常に溶け込んだ現在、ユーザーのプロンプト(質問)は高度なものとなり、次のように変わっていきます。
「今度、社内のWeb知識が全くない若手に自社サイトの運用を引き継ぐんだけど、マニュアル作りから並走してくれて、専門用語を使わずに優しく教えてくれる制作会社ってどこかない?」
このプロンプトに含まれる「状況」や「悩み」こそが、まさに 特定のCEPs(文脈) そのものです。
AIは、Web上の膨大なデータからこの文脈に最も合致するブランドを、人間の代わりに推論し、わずか数社(あるいは1社だけ)をピックアップして提示します。
つまり、AIの中(アルゴリズム)と人の頭の中の両方に、「〇〇な状況といえば、あの会社」という結びつき(CEPs) をつくれていなければ、その瞬間に思い出してもらえません。これは、ブランドが 「メンタル・アベイラビリティ(思い出してもらいやすさ)」 をどれだけ持てるか、という話なのです。
なぜAIに「戦略」を丸投げしても機能しないのか
「それなら、AIに『自社のCEPsを考えて』と頼めばいいのでは?」と思われるかもしれません。けれど、ここにAI活用の落とし穴があります。
AI(LLM)が得意なのは、過去の膨大なデータから統計的に「最も確率が高い正論」を導き出すことです。そのため、AIに丸投げして出てくる答えは、
- 「BtoB Web制作のCEPs = 予算見直しの時期、サイトのリニューアル時」
といった、競合も同じように思いつく 「ありきたりな一般論」 にとどまりがちです。これでは差別化につながらず、どこかで見たようなブランドに埋もれてしまいます。
戦略は人間が描き、形にするのはAIに任せる
本当に機能するCEPsを見つけ出すには、AIのさらに上のレイヤー、つまり 「メタ視点でのフレーミング(戦略の定義)」 が必要です。
顧客がふと漏らした本音、業界の構造的な隙間、自社スタッフが持つ隠れた強み。こうしたものを見渡して、「大手が狙わない、この『引き継ぎの瞬間』を、自社が一番に思い出される文脈にしよう」と決められるのは、現場の経験と一次情報を持つ人間だけ です。
AI時代の正しいブランディングのプロセスは、丸投げではなく 「共同作業の高速化」 にあります。
【人間の役割:メタ視点・戦略】
顧客の生々しい課題を発見し、独自のCEPs(型・レシピ)を定義する
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【AIの役割:具体化・高速化】
定義された前提条件を元に、コンテンツや具体策をすばやく形にする人間が戦略の舵を取り、AIには高速化の役割を担ってもらう。この「レシピ化」の視点があってはじめて、AIは頼れる相棒になってくれます。
BtoBビジネスにおけるCEPsの切り口
ここまで読んで、「CEPsはBtoC(消費者向け)の話では?」と感じた方もいるかもしれません。けれど実際はその逆で、感性や衝動買いが起きにくいBtoBビジネスでこそ、この「文脈の設計」はよく効いてきます。
BtoBのカスタマージャーニーを思い浮かべてみてください。多くの企業は「顧客が比較検討を始めてから」のジャーニーを描きますが、現実には、問題が起きた瞬間に、記憶にある会社や知人の紹介先へすぐ連絡してしまい、検索すらしない ことがよくあります。つまり、ジャーニーが動き出す前の「最初の入り口」を押さえておくことが大切なのです。
BtoBにおけるCEPsは、「業務上の課題、リスク回避、ミッション達成」 という強い文脈から生まれます。5WのフレームワークをBtoB向けにリフレームした具体的な切り口がこちらです。
【BtoB向け】CEPs構築フレームワーク
| 軸(5W) | BtoBにおける具体的な文脈(CEPsの候補) | 顧客が想起すべき自社ブランドの姿 |
|---|---|---|
| Why?(目的・課題) | ・「競合のサイト刷新に焦りを感じた時」 ・「属人化した業務を仕組み化したい時」 | 「組織の仕組み化・型作りに強い会社」 |
| When?(タイミング) | ・「期末で予算が余り、次期の仕込みを急ぐ時」 ・「法改正やAIなどの技術トレンドの過渡期」 | 「時代の変化に真っ先に対応してくれるパートナー」 |
| Where?(状況・場所) | ・「経営会議で売上低迷が議題に上がった時」 ・「新規事業の社内プレゼンを控えている時」 | 「上層部への説明まで一緒に考えてくれる存在」 |
| With whom?(誰と/誰が) | ・「Web知識のない他部署の後任者に引き継ぐ時」 ・「経営陣から急な無理難題を振られた時」 | 「専門用語を使わず、誰にでもわかる言葉で並走してくれる存在」 |
| With what?(何と一緒に) | ・「基幹システムの刷新と同時に進めたい時」 ・「採用活動の強化とセットで動く時」 | 「周辺の業務設計まで丸ごと任せられる存在」 |
顧客が困ったその瞬間、ジャーニーが動き出す前の「最初の入り口」に、自社の強みをそっと置いておく。こうして面で捉えるブランディングが、競合と自然に差がつくポジションをつくります。
まとめ
情報が溢れ、AIが人に代わって選択肢をふるいにかける時代には、ただ綺麗に佇んでいるだけのブランドは埋もれていきます。
効くのは認知度の大きさそのものではなく、顧客が課題を抱えた「その瞬間」に思い出してもらえる文脈(CEPs)をどれだけ持てるか。
その文脈はAIに丸投げしても一般論しか出てこず、現場の課題を捉えて「ここを自社が一番に思い出される文脈にする」と決めるのは人間の仕事です。
衝動買いの起きにくいBtoBでこそ、この設計が大きな差を生むでしょう。
TERAの立場と取り組み
株式会社テラは、名古屋でWeb制作・デザイン・システム開発を手がけて30年。企画やマーケティングといった上流から、それを形にするクリエイティブ制作・Web実装・運用までを自社で一貫して担える点を、お客様に高く評価いただいております。
「自社の強みをAI時代に合わせて再定義したい」「競合に埋もれないブランディングを検討したい」── そうお考えの企業様は、要件が固まっていない段階でも構いません。ぜひ一度、TERAにご相談ください。
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名古屋を拠点としたWeb制作会社、株式会社テラ
TERAの優れたコンサルティング、デザイン
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