2025年7月14日

2025年7月14日

    Webページの量産が「数週間→30分」に。ChatGPTを活用した業務効率化の裏側

    プロデュースDiv AI開発チーム

    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    Webページの量産が「数週間→30分」に。ChatGPTを活用した業務効率化の裏側

    こんにちは、株式会社テラ AI開発チームです。

    私たちが日々取り組んでいるWeb制作の現場では、限られたリソースでいかに高品質な成果を出すかが常に問われています。特に、同一フォーマットのページを大量に制作する案件では、「人手で頑張る」方法に頼りがちだったのが現実です。

    しかし、この課題に対して生成AIを取り入れることで、これまでの常識を大きく覆す成果を上げることができました。

    今回は、ChatGPTを活用し、HTMLページを数万単位で自動生成する仕組みを構築した事例をご紹介。AIによる業務改善の可能性を感じていただけたら幸いです。

    人が「効率的に捌く」しかなかった、従来の課題

    当社では、CMSを使わない静的コーディングにより、HTMLサイトを構築する案件を多数手がけています。
    この手法のメリットは、表示速度やセキュリティ、運用コストの低さなどですが、大量ページでは「いかに効率よく量産するか」が大きな課題となります。

    これまでは、以下の流れに沿って制作を行っていました。

    1. ページごとの原稿をExcelなどで整備
    2. ひな形(HTMLテンプレート)を用意
    3. 人の手でHTMLにコピペ・調整しながらページを作成

    一見シンプルに見える作業ですが、実際には非常に手間がかかります。手作業によるコピペミスや文字化けなど、些細なミスが品質トラブルや修正工数の増加を招くこともしばしばありました。

    慎重さが求められる一方で、納期短縮のためにはスピードも欠かせず、ヒューマンエラーと効率化のジレンマが制作現場に重くのしかかっていたのです。

     

    ChatGPTで「テンプレ+原稿」を一括HTML化する仕組みを構築

    この作業をもっと効率的にできないか——。
    そこで私たちが着目したのが、「人手ゼロで大量HTML生成」を目指したChatGPTの活用です。

    ChatGPTは文章生成の能力だけでなく、「文脈を理解し、構造化された出力を行う」点に優れています。 この特性を活かし、以下のようなスキームを開発しました。

    1. Excelで構成された原稿データを準備
    2. 案件ごとに専用プロンプトを作成(HTML構造や出力形式を細かく指定)
    3. ChatGPTにプロンプトとデータを入力
    4. 複数ページ分のHTMLを一括で生成

    このスキームを活用することで、ある案件では、なんと15,000ページ分のHTMLファイルを、わずか20〜30分で生成することに成功しました。従来であれば数日〜数週間かかっていた作業が、AIの力で一気に短縮されたのです。

     

    成功のカギは「入力の整備」と「プロンプト設計」

    もちろん、AIに任せたからといって何でもうまくいくわけではありません。
    今回のスキームが機能した最大の要因は、人の手による準備段階を丁寧に設計・実行したことにあります。

    そのポイントは2つ。

    • Excel原稿の構成をルール化し、入力ミスを防ぐ
    • ChatGPTに「どんな構造で、どう出力してほしいか」を的確に指示する

    たとえば、「この見出しはh2で」「この部分はulタグでリスト化」「改行コードはbrで統一」など、細かい指示を盛り込んだプロンプトを使うことで、出力されるHTMLの品質を安定させることができました。

    一度テンプレートとプロンプトを作ってしまえば、同じ構造の案件への流用がしやすい点も大きなメリットです。

     

    AI活用は、大量作業の「単なる自動化」にとどまらない

    今回の取り組みは、「単純作業の自動化」が目的に見えるかもしれません。
    ですが、実際にはその先に、人がもっと創造的な仕事に注力できる環境づくりがあります。

    たとえば、

    • コーディングの手間がなくなったことで、デザイン検討やUI改善に時間を使えるようになった
    • ページ制作のスピードが上がったことで、リリーススケジュールが前倒しできた
    • 同様の案件が増えても、人手を増やさずに対応できる体制ができた

    といった効果が現れています。

    AIは「人に取って代わる存在」ではなく、「人と協働するパートナー」です。単純な繰り返し作業を引き受けてもらうことで、人は本来やるべき「価値を生む仕事」に集中できるようになる。それこそが、本当の意味でのDXだと私たちは考えています。

     

    AIが「量産」を変え、「創造」に時間を生む時代へ

    ChatGPTのような生成AIの進化により、これまで人手に頼るしかなかった業務が大きく変わり始めています。

    特に「大量・定型・繰り返し型」の業務は、導入のハードルも低く、効果が出やすい領域です。私たちTERAでは、今後もAIやデジタル技術を活用し、Web制作や運用の現場に新しい価値を提供していきます。

    Webサイト制作以外にも、お客様の状況に合わせた最適なDXの進め方、AIの活用法を一緒に考えさせていただきます。ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

    この記事に
    「ええね!」する

    1 4
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

    名古屋を拠点としたWeb制作会社、株式会社テラ
    TERAの優れたコンサルティング、デザイン
    ネットワークを駆使し
    お客様の抱える問題を即時解決いたします

    TERAについてもっと詳しく

    過去1カ月の人気記事