2023年1月5日

2022年12月22日

    その判断は正しい?Web制作で適正なクリエイティブ品質を出すためには

    デザイン顧問 Mayu

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    その判断は正しい?Web制作で適正なクリエイティブ品質を出すためには

    こんにちは。デザイン顧問のMayuです。

    前回の記事では、Web制作における「品質」「価値」「顧客満足度」の関係を見てきました。次は一歩進んで、実際のプロジェクトで価値を生み出す方法を考えていきましょう。

    今回の記事では、Web制作プロジェクト全体の価値を測る基準である「価値基準」の設定方法と、クリエイティブ品質の判断基準についてお話します。

    クリエイティブ品質についてお悩みのクリエイターの方だけではなく、Webサイト制作など、クリエイティブの外部依頼を検討されている方にも、ぜひ読んでいただけたらと思います。

     

    お客様の要求を最優先に考えた「価値基準」づくり

     

    前回の記事でお話した「お客様のニーズを見極めて満たす=プロジェクトの顧客満足度を高める=価値が高いという評価をいただく」一連の流れにおいて、スタート地点は非常に明確です。

    それは、お客様が何を求めているかを理解することです。

    お客様が求めることは、当然ですがお客様しか知りえません。制作サイドの推測で決めるのではなく、ヒアリングと情報共有を行った上で「どうしたら満足していただけるのか、喜んでいただけるのか」を考えることが大切です。ヒアリングがプロジェクトの明暗を左右すると言っても過言ではありません。

    お客様の要求が明確になったら、それが最優先事項=「価値基準」となります。

    価値基準が決まれば、制作物のボリュームや方向性、総費用や請求金額、全体スケジュール・納品日などが見え、制作内容を決定することができます。プロジェクトスタート時は制作内容の策定に目が行きがちですが、価値基準ありきです。順番を間違えてはいけません。

    そして、価値基準は制作サイドとお客様で必ず共有することがとても重要です。

    互いにゴールを認識することで、ブレの少ないプロジェクト進行が可能になるでしょう。ポイントは全体を見据え、最適な「クリエイティブ品質」「納期」「コスト」のバランスを維持しながら進行することです。

     

    適正なクリエイティブ品質とは

     

    TERAでは、プロデューサーやプランニングセールスが価値基準設定後に設計する「企画コンセプト」を方向性の基準として、各段階での表現を決めていきますが、各所で必ず行わなければならないことがあります。

    それが「品質チェック」です。

    プロジェクトにふさわしいクリエイティブ品質かどうかを確認することが「品質チェック」の役割です。例えばデザインでは「作り込み」「ディテールの美しさ」などが該当しますが、追求し始めれば際限がありません。この良し悪しを判断することは非常に難しいですが、判断基準はあると私は考えています。

    それは「プロジェクトの要求を実現する内容になっているか」と「自分が良いと思うか」のあわせ技です。

    「要求を実現する内容になっているか」とは、価値基準と企画コンセプトを満たすものであるかということです。案件の最優先事項である価値基準と、方向性の基準である企画コンセプトは、当然ながら遵守する必要があります。和モダンが求められている案件でヨーロピアンな伝統的デザインが閃いたとして、そのデザインがどれほど圧倒的でも、プロジェクトにふさわしいデザインとは言えないでしょう。

    また、当然ながら価値基準に内包される「納期」「コスト」を無視することもできません。適正に設定された納期とコストに対し、釣り合いが取れるクリエイティブ品質になっているかということは、要求実現の上でとても重要です。むしろ、それこそがプロジェクトで求められるレベルであるとも言えます。

    そして「自分が良いと思うか」とは、プロジェクトの要求に対し、クリエイター自身が誇りと自信を持って提出できる内容になっているかということです。以前デザイン誌で拝見した記事で、とても印象に残っている言葉があります。それは「自分がデザインしたポスターを自分の部屋に貼れるかどうか」。私はこの言葉を片時も忘れたことはありません。プロジェクトで求められるクリエイティブ品質のレベルを守りつつ、自らが納得できるところまで完成させられているかどうか、提出前に必ず振り返るようにしましょう。

    まとめると、価値基準から導かれる「プロジェクトで求められるクリエイティブ品質」を前提とし「プロジェクトの要求を満たすか」「ふさわしいレベルまで昇華できているか」という点が、適正なクリエイティブ品質の判断基準と言えるのではないでしょうか。個人ではなく、制作チーム全体で調整をかけていくことが大切です。

     

    制約があるのがプロの仕事

     

    しかし現実では、すべてのプロジェクトが円満に進むわけではないのも事実です。「納期とコストを優先した結果、デザインのクリエイティブ品質を下げざるを得なかったが、お客様に納得していただけない」というケースを聞くこともあります。

    納期とコストを優先したデザインをするしかないという状況が、いかに厳しいかは想像に固くありません。しかし、こう考えることもできませんか? 制限があるということは「納期とコストを優先する枠の中で、最高のものを作る」ことでもあるのです。

    理想論だという声もあるでしょう。確かに概念的ではありますが、最後にはこう言うしかありません。

    条件がある中で最高のものを作るのがプロです。

    自分は最善を尽くしているか?という自問自答を、クリエイターは常に繰り返すべきです。制限はただの条件であり、妥協の許可ではありません。「ここまで」からさらに一歩先へ踏み出すことが成長につながります。(TERAではデザイナーだけでなく、全スタッフがこのことを強く認識しています。)

    それでも進行がうまくいかない場合は、制作サイド・お客様ともに価値基準を見失っている可能性があります。最初に決めた価値基準を見直し、優先事項を決めて進行していくことが大事です。

     

    いかがでしたか?

    適正なクリエイティブ品質を意識し「コスト・納期内で実現できる最上のクリエイティブ」という、Web制作の価値の最高点に向けて動いていくことが、お客様に喜んでいただくためにはとても大切です。

    次回は、実際に弊社がどのように品質改善に取り組んでいるのか?という視点で、TERAの品質に対する取り組みをご紹介します。

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    名古屋を拠点としたWeb制作会社、株式会社テラ
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