2019年9月5日

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    [エンジニア向け]メールを含むドメインのDNS切替作業の流れと、気をつけておくべき注意事項

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    [エンジニア向け]メールを含むドメインのDNS切替作業の流れと、気をつけておくべき注意事項

    こんにちは、株式会社テラ テクニカルチームです。
    普段フロントエンドのコーディングを専門としている我々ですが、必要に応じて、そこから少し踏み込んだ業務に携わる事も少なくありません。

    今回は、そんな経験の一つとして「DNS切替え」について実際に取り組んだ際の手順、注意点等をご紹介致します。

    DNSの切替えが必要に!それは一体どういうシチュエーション?

    DNSの切替えが必要となるケースの多くは、現行のWebサイトに発生している問題の内、サーバに由来するものがあった場合に起こりえます。

    例えば

    • Webサイトを新しく、CMS運用を見据えたリニューアルをしたい! しかしCMSを動かすために必要な条件(PHPやデータベースなど)を満たしていない……
    • 社内の各支社で各々契約しているWebサイトを纏めて、一つのサーバで運用したい!

    といったシーンに於いて、DNSの切替え作業というものが発生します。
    それは、DNSが電話帳のように「○○○というドメインは✕✕✕✕というサーバIPですよ」と、ドメインでの問合せを、所有している情報を参照しながら、行き先となるサーバに案内する役割を持っているからです。
    サーバIPは住所のようなものであり、サーバを変更したのであれば電話帳の役割を担うDNSに「今まで○○○は✕✕✕✕というサーバに案内してもらっていたけれども、今後は△△△△へ案内してください」と、設定を切替える必要があります。
    これが、DNSの切替えが必要な理由です。

    では具体的に、どのような手順でDNS切替えを行ったら良いのでしょうか?

    まずは手順です

    単刀直入に、まずは手順を簡単に列挙してゆきます。

    当日まで

    1. ドメインに記録されているサービスの範囲を確認
    2. スケジュールと、切替によって影響の発生するサービスの新規設定方法のご案内
    3. (1)項で確認したサービス内容を新しいサーバに反映し、ご連絡
    4. (3)項で反映した内容が正常に動作しているか、確認可能な範囲で確認
    5. DNS切替えの予定日を決め、当日のスケジュールを共有、必要な臨時措置を順次各所へ反映

    当日

    1. DNS切替えを実行
    2. DNSの浸透をモニタしながら確認作業や連絡が速やかに行えるように連絡の準備を整える
    3. DNSの切替えを確認し次第、各所へ連絡し、DNS切替え後のみに行える作業に順次取り組む
    4. 作業完了報告を提出し、作業完了

    大まかな流れですが、基本的には上記項目のような流れでDNS切替えは行われるかと思います。

    各項目の詳細解説

    では、前章の簡易手順はいったいどのようなことをしてゆけばよいのでしょうか?
    状況に応じて過不足はありますが、基本的には下記詳細の通りの流れになります。

    【1】ドメインに記録されているサービスの範囲を確認

    ドメインのDNS切替えに影響が発生するのはWebサイトだけではありません。
    真っ先に思いあたるのはメール、そしてSSLなどが影響を受けます。
    クライアントとなるお客様のドメインで、どのようなサービスが利用されているか、現行の設定状況も含め、事前の情報共有を入念に行いましょう
    ※本記事はWebサイトとメール、そしてSSLを含んだDNS切替えを想定しています。

    【2】スケジュールと、切替によって影響の発生するサービスの新規設定方法のご案内

    DNSを切替えたことでお客様に発生する影響が、最小になるための方策を検討し、サービスごとの移行手順をご案内します。
    例を示しますと……

    • Webサイト:移行先のサーバに切替え予定ドメインを設定し、データを予め移行しておく
    • メール:現状発行済のメールアドレスを移行先のサーバに設定する方法をレクチャーし、お客様の手で正しくメールアドレスが移行されるようお手伝い
    • SSL:ダウンタイムの有無を打ち合わせ、いずれのパターンになった場合の、発生しうる課題や手順を共有

    等々となります。
    いずれも重要な検討事項となりますので、十分な打ち合わせを行いスケジュールを決定します。

    【3】【1】で確認したサービス内容を新しいサーバに反映し、ご連絡

    移行先サーバが確定し、利用可能になり次第、移行するべきデータを反映してゆきます。
    【2】の例で示しましたとおり、取り扱う情報によってはお客様に移行作業を行っていただく項目も発生しますので、移行先サーバは早い段階で準備されている状況が望ましいです。
    また、移行作業の一部はDNS切替えを実施する前に行えないものもあります(SSL等)。

    【4】【3】で反映した内容が正常に動作しているか、確認可能な範囲で確認

    移行したデータはDNS切替え前に正常に移行されているかを確認することが可能です。
    例えば新しく移行先として選定されたサーバが「確認用URL」などを用意している場合は、ドメインを切り替える前に実際のサーバ上のデータの表示確認を容易に行なえます。
    確認用URLが発行されていない場合であっても、移行先のサーバのIPアドレスを切替え予定のドメインをHOSTファイルに直接設定することで、確認が可能です。

    また、メールの移行確認はMDA、MTAの仕組みを理解したテストが必要となります。
    テスト用ドメインを移行先のサーバに設定し、テストドメインから発行したアドレスから事前移行済みのメールアドレスへメールを送信し、サーバ内配達で確認を行う方法等を用いて送受信を確認する、等が必要となります。

    【5】DNS切替えの予定日を決め、当日のスケジュールを共有、必要な臨時措置を順次各所へ反映

    事前に可能なテスト・検証を十分行い、実行可能な状況になったら実際の切替え予定日をお客様と調整します。
    影響が最小となる時期、時間などをヒアリングし、実行日を決定します。

    【6】DNS切替えを実行

    DNS切替え予定時刻の前に、可能であれば(休日や深夜等でなければ)お客様に連絡し、作業に取り掛かります。
    DNSの切替えはDNSレコードの編集であったり、ネームサーバの切替えであったり、と様々な手段があります。
    要件に最適な方法で切替えを行いましょう。

    【7】DNSの浸透をモニタしながら確認作業や連絡が速やかに行えるように連絡の準備を整える

    切替えを実行してから、ドメインとサーバの設定変更がインターネット全体に反映されるまでしばらくの時間がかかります。
    浸透状況はDNS lookupで行いますが、設定が全体に伝播するまでの間に、結果が出た場合の、いずれかの内容でも速やかに連絡ができるように、連絡の準備を整えておきましょう。

    【8】DNSの切替えを確認し次第、各所へ連絡し、DNS切替え後のみに行える作業に順次取り組む

    DNS lookupでDNSの切替えが確認出来次第、切替えが正常に行われているかの確認を行います。
    また、SSLに関してはDNS切替え後に、打ち合わせ内容によってはダウンタイムとなっている場合もありますので、速やかに確認と復旧を行いましょう。
    その後、Webサイト、メールアドレス等を順番に確認してゆき、不具合がないかを確認します。

    【9】作業完了報告を提出し、作業完了

    すべての確認作業が完了し次第、お客様へ作業の完了をご報告します。

    上記が、実際の業務を想定した詳細の作業手順となります。
    いずれにせよ、DNSの切替えという作業はお客様の環境に少なからず影響の発生する案件となりますので、こまめかつ速やかな状況共有を第一に考えて実施してゆくことが大切です。

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