2023年10月2日

2023年10月2日

    ちょうどいい「熱」出せてる?クリエイター視点のビジネスコミュニケーションとは

    デザイン顧問 Mayu

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    ちょうどいい「熱」出せてる?クリエイター視点のビジネスコミュニケーションとは

    こんにちは。デザイン顧問のMayuです。

    前回の記事では、リモートワークにおけるコミュニケーションの重要性をお話しました。今回のテーマは、コミュニケーションのコツ。クリエイティブ業界で働く私が日々痛感していることを、主観多めの内容でお伝えします。仕事上のコミュニケーションに悩んでいるクリエイターの方はもちろん、クリエイターを志す方にもぜひ読んでいただけたらと思います。

    仕事だけでなく、日常生活でもきっと役に立つはずです。

    伝わるコミュニケーションはできている?

    オンラインと対面、個人とチームなど、どのような形であっても仕事を進めるためには、自分の考えを正しく伝える必要があります。しかし「意思疎通ができない」「言っていることが伝わらない」と感じている方もいるのでは?

    例えば、下記の3つのケースを見てみましょう。

    これらは別々のシチュエーションですが、共通している原因が一つあります。 それは、受け手の視点に立ったコミュニケーションができていないということです。

    ケースA

    ディレクターが、伝えたいことを整頓せず一気に書いてしまったため、受け手は内容を理解するため整頓しながら読み進めなければなりません。相手に余計な手間を押し付けているのです。

     

    ケースB

    ここでは業界知識がない受け手に対して専門用語を並べたので、相手は????。改めて説明ができればラッキーですが、仕事がやりづらい人といった印象を与え「担当を変えてください」と言われてしまうかもしれません。

     

    ケースC

    デザインが完成してデータとメッセージを送ったものの、ディレクターからの完了連絡がないことには仕事は終わらず、引き続き連絡を待つことになります。日中であればまだしも、終業近くであれば「早くしてくれないと困る。何を考えているんだろう」と他責思考が生まれてしまうかもしれません。

    このように、こちらが正しく伝えた“つもり”でも、相手には意図が伝わっていなかったり、間違って受け取られたりするミスコミュニケーションは、知らず知らずのうちに発生しています。

    特にケースBについては「クリエイターは専門職で気難しいイメージがある」「言っていることが専門的でわからない」といった意見がSNS等で見られることもあります。やりづらいと感じている依頼主に心を開いてもらうのは難しいですよね。しかし、それを放置しておけば、ヒアリングをはじめコミュニケーションの難易度が自然と上がり、最終的な顧客満足度の低下につながるのは想像に難くありません。自分本位のコミュニケーションにメリットは皆無なのです。

    では、上記3つのケースはどのような連絡をすればよかったのでしょうか。

    以下は連絡の一例です。

    ケースA

    ケースB

    ケースC

    「受け手の視点に立ったコミュニケーション」の基本は、前回の記事で書いたように、相手がどのように受け止め、どんなアクションを起こすか、などを考えて丁寧なコミュニケーションを心がけることです。これはクライアントや社内スタッフだけでなく、あらゆる相手に対して必要な心がけです。

    もちろん、プロジェクトに参加するメンバー全員が高いコミュニケーションスキルを持っているなら、意識しなくても円滑なコミュニケーションが実現するでしょう。しかし現実はなかなかそうはいきませんし、相手がいることなので難しいところです。

    よって、円滑なコミュニケーション実現への最短距離は、まず自分のコミュニケーションを見直し、スキルアップさせることです。ケースCはまさにこのケースで、自ら確認を取ることにより、結果として無駄な時間を減らすことができます。「相手の不足分は自分がカバーする!」くらいの意気込みでコミュニケーションに取り組むことが、結果的に互いのストレスや手間を減らすコツなのです。

     

    コミュニケーションには「熱」が必要

    インターネットやハードウェアの進化により、最近のコミュニケーションはLINEのやり取りに象徴されるように短く、分かりやすく、簡潔に行われる傾向があります。

    そして、現在のクリエイティブ業界においては、Slackをはじめとしたチャットアプリがコミュニケーションのベースとなっています。チャットでのコミュニケーションは確かに短文です。しかし、LINEほど頻繁なテキストのやり取り をするわけではありません。ここに落とし穴があるのです。

    日本のビジネス文化においては、コミュニケーションに関して丁寧さや相手への敬意が重視されます。これは短文になろうと変わりません。ビジネスマナーに長けたベテランクリエイターならまだしも、ビジネスの経験が浅い方や、会話レベルの短文コミュニケーションが主体となっている方の場合、結果として「本来行うべき丁寧さ」が損なわれ、何らかのディスコミュニケーションに繋がってしまっているのではないでしょうか。

    例えば、熱のこもったクライアントのプレゼンテーションに対する返信が「承知いたしました」だけだったら…私がクライアントの立場なら、本当に伝わったか不安になります。そのとき熟読できなかったとしても、プレゼンテーションに対するお礼と確認後に改めて連絡する旨などをきちんと伝えるべきでしょう。

    そう、短文でのコミュニケーションは、相手が求めている情報を、シンプルに、適切な「熱(=距離感・空気感)」で伝えることがポイントです。

    私は当社のプロデューサーとチャットをする際、ストレスを感じたことがありません。彼のテキストは必要なことがまとまった非常にシンプルなものですが、私との距離感を踏まえたトーン(口調)で、かつ彼自身のキャラクターを感じさせるものだからです。短時間で要点を理解できる上に直接会話しているような絶妙な雰囲気で、コミュニケーション不足を感じさせません。

    分解すると、チャットテキスト作成には以下の3点のポイントがあるとわかります。

    • 要点を絞った簡潔な文章
    • 相手との距離感に合わせた適切なトーンの選択
    • 状況によっては補助要素として絵文字の使用も

    もっとも、絵文字は非常にデリケートです。感情を上乗せするには効果的ですが、どうしてもラフな印象がプラスされるため、社内・社外問わず、相手との関係性を正確に判断した上で使用する必要があるでしょう。

    文章のトーンをコントロールすることは、パーソナルブランディングの一環でもあります。私の知人には「不要な感情を排除するため、テキストコミュニケーションは固いトーンで統一している」という人もいますが、これも一つの方法ですね。

     

    相手の懐に入れば仕事がしやすくなる

    キャリアをお持ちのクリエイターさんとお話させていただく際、皆さんの丁寧なコミュニケーションに驚かされます。クリエイターとしての経歴が異なる私に対しても、相手の目線に合わせた丁寧な物腰で、「私に向けて窓口が開かれている」と実感しました。こういったコミュニケーションができる方は、当然、クライアントに対しても同様以上に接していらっしゃると思います。

    クリエイターの仕事はクライアントの課題を解決することであり、「相手を知り、相手が望んでいることを知ること」が求められます。そのためにも「相手が望むコミュニケーション」を汲み取ることで、核心に近づくことができるのではないでしょうか。

    これは、相手に媚びて態度を変えるということではありません。距離感を図り、マナーを踏まえ、適切な熱でコミュニケーションを取ることで、徐々に相手との距離を詰めていくことができます。

    コミュニケーションは相手の懐に入るための駆け引きでもあります。身の周りを見てみましょう。自分が信頼している人、頼りたい人はどんな人なのか。どのようなコミュニケーションを行うことで相手の信用と信頼を勝ち取ることができるのか。そこに、クライアントと長いお付き合いができるかどうかのコツが隠れています。

    リモートワークが定着した昨今、デザイナーをはじめとするクリエイターは副業としても人気の職業です。品質の差こそあれ、クリエイターは飽和し業界のレッドオーシャン化は止まりません。その中で、自分がクリエイターとして価値を見出してもらうにはどうすればいいか、考え行動を起こすことはとても重要です。そのとき、強力なコミュニケーションスキルは間違いなくあなたの強みになると、私は思います。ぜひ皆さんも心に留めて、会話や打ち合わせに望んでくださいね。

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